地域ではお馴染みとなっているチャリティーイベントですね。

2010年の10月8日がこの店のオープン日で、僕が店長を任されたのが2011年。その翌年2周年の際、東日本大震災の義援金チャリティーとして始めました。どういう感じかと言うと募金箱を置いて、周年にちなんだ金額以上の募金をしてくれたお客さんにうちの看板メニューである「チキン南蛮カレー」を￥108で提供する、というようなことをやっています。

出来ることとしては微々たる活動かもしれませんけど、何かプラスになればいいなと毎年続けてて。

カレーを大きい寸胴鍋で一週間煮込むので、準備の方はなかなか大変なんです（笑）

その価格で継続していくことは大変じゃないですか？

継続がというよりも真面目な話、このコロナの時代に「果たして僕らが身を削るようなことしてええんか？」って思うんです。でもね、元々はこの地域で店をやらせてもらっていることに思い入れをもって始めたことで。なぜわざわざチャリティーをやってるかと言うと、それはお客さんに気持ちよく参加してほしいからなんですよ。

お客さんと何か意味のある事を、「地域で一緒にやりませんか？」って企画にしたくて。一方的に「はい、じゃあこれ記念に振舞います～」じゃなくてね。そこはぶれへんようにというか。おかげ様で毎回沢山の方が賛同してくれてご来店いただくので、近隣に迷惑がかかってしまうのは申し訳なくも思うんですが・・今後は密を回避出来るような対策も考えていかなあかんしね。

年明けには出来るんかなあ・・ちょっといついつと言えないし、どういう形になるかわからないですけど。世間の様子を見つつ一日限定でもやれればと考えていますし、SNSでもお知らせます。時が来たら、チーム向日さんでも宣伝してよ？（笑）

この10年間を振り返ってみて、いまどんな心境ですか？

どうでしょう。周りの方々から祝ってもらって、こんなご時世ながら和気あいあいと出来たのも束の間、淡々と日々は過ぎていくから。それからすぐ腰もやって・・

改めて10年・・。思っていたよりもすぐと言えばすぐやったし、10年という歳月の重みを身をもって実感しているかどうかっていうと、まだちょっとわからないのが率直なとこですね。もっと言うと実は危機感みたいなものを持ってる。

それはどんなことに対してですか？

さっきも触れましたけど、ネットであったりSNSであったり、今の時代ってお客さんが拾える情報がとにかく多いですよね。こっち（店側）がそれに乗っかっていかないと、忘れ去られていくような気がしていて。色々なサービスや仕組みがコロナの影響も相まって成熟していく中、「お店をここで10年やってきた」という価値観だけでこの先もやっていくのはさすがに厳しいと思う。

テイクアウトが流行ってお弁当の販売をやりだした頃、顔馴染みの方以外にも初めての方がたくさん訪ねて来てくださって。こんな時でも前向きな気持ちになれることあるんやって励みになったしね。SNSとかクチコミで知りましたって話で聞くと、自分でもちゃんとせなあかんなあと思って。

プラス・・持ち帰りやと顔の見えないところでうちの味をどう感じてくれはったんか、僕からはよくわからない（笑）やったら次は店でぜひ食べてほしいなっていう欲も出てくるし。

とにかくこの10年で残ったもの・・それを今後どう活かして発信していくのか、ひたすら模索してるとこです。この店が今どういう感じでやってるかとか、少しでも伝えられるように努力していかんとね。

少しでも伝えられるような記事を目指します。

ありがとうございます。よろしくお願いします！

ところで、先ほどから気になっているのですがあの絵は・・・

10周年のお祝いにお客さんが描いてくれました。ちょっとこれ、やばくないですか？もともとフォトグラファーの方で、コーヒーを点（た）ててるとこを撮ったのを、色鉛筆で二週間かけて描いてくれはったらしくて。目立つとこにもう思い切りよく飾らせてもらってます。いや・・いつ見てもやばいな（笑）

（後編に続く）

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