コロナの影響下でいま、どのようにモチベーションを保っていますか？

料理の作り手としてはもう自分の腕を信じてやるだけと思ってますよ。それがいまの自分を奮い立たせてるというか。不思議なもんで、このコロナ禍にも作る意欲は湧いてきてて。コロナでなのか、11年目だからかなのかわからないですけど、地域の方からこの先も「美味しくて当たり前のふうせんかずら」って親しんでもらえるよう、店の「味」をもっと大切にしたい気持ちがより強くなりました。

時々無性に食べたくなるお店の味ってありますもんね

そうそう。経験したことのある人にしかわからないその店の味ってあるじゃないですか。「ル.トン」のコーヒーもまさにそうで、本来そこでしか味わえない・・使い古された言い回しでも「あの店」の「あの味」という言葉で通じたり、思い浮かぶものが何か。

最近「おふくろの味」って言葉をあまり聞かなくないですか？多分、自分の目指すのはそこなんやろなって。ここに来てくれる方が求めているのは、ごくごくシンプルなことなんちゃうかと。

だから本当のおふくろの味じゃなくても、ふうせんかずらの「あの雰囲気」「あの味」がって言ってもらえる、記憶に残る・・ちゃんと人の心に響く料理を出せる店でありたいんです。10年。まだまだこれからです。

興味深いお話をありがとうございます。最後に向日市の地域の方に向けて、メッセージをお願いできますか？

えーと・・忘れないでいてください（笑）

実際のところコロナのことで「店、大丈夫？」って心配してくれる方がたくさんいて。ここでお答えしておくと、大丈夫ということもなかったですし、正直厳しいところもあります。冬になって、年明けてもどうなってるかわからないし。でもそれは自分だけの問題じゃなくて、とにかく状況が良くなっていかんことには皆が皆前に進めないですから・・つらいことも、明るい話題も地域で共有して、なんとか希望を持ってやっていけたらなって。

ささやかですけど、地域の話題作りになることを継続していきたいです。

こういう状況で孤立してしまうのって本当に良くないですから。これ（チーム向日）って向日市だけなんでしたっけ？もっと乙訓全体でやってくれはったらいいのになって思いますよ。

僕も最近「あのお客さん、ご無沙汰やけど大丈夫かな、元気してはるかな？」って思うことがあります。

コロナでちょっと足が遠のいてしまったり、変な距離感があったりね。でも、軽く立ち寄ってもらうだけでも嬉しいから、もしよかったら通り掛けにでも覗いてやってください。これからもうちの店をよろしくお願いします。

（インタビュー：TEAM MUKO / 編集：まいぷれ乙訓）

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