麒麟園さんは向日市の町おこし事業「激辛商店街」に発足当時から深く関わってこられました。当時はどういった経緯で始まったものだったんですか？

向日市にイオンが出来ることを知り、発起人である磯野さんの「地域の商店街も負けていられない。向日市の飲食店を中心に面白い町おこしをしよう！」という呼びかけから始まって。それまでどこの地域もやっていなかった「激辛」というインパクトのあるジャンルをテーマに、激辛商店街はスタートしました。向日市自体は「激辛」には縁もゆかりもなくて、これがあかんかったらまた何か別のことをしようとも考えていたのですが、それがうまくハマって、今現在に至っています。

スタート当初は「Ｂ-１グランプリ」（全国各地のご当地グルメを通じた「まちおこし団体」の共同PRイベント）への出場を目標にしていましたが、「もっとスピード感を持って町おこしに取り組みたい」、「自分たちの町でイベントを開きたい」という気持ちもあって、発足から2年、平成24年3月にはじめて「KARA-1グランプリ」を開催することになったんです。

「KARA-1グランプリ」は今では最高来場者数11万人を超える大規模なイベントとなりましたね。

それもまあ、何年か前から京都府と合同で「物産展」も同時にやってて、内容も年々パワーアップしているので、最近では規模が大きくなりすぎて会場のキャパが・・という話も出てきまして。

今年はコロナ禍ということもあり、バーチャルの「KARA-1グランプリ」をやりましょうということになっていて、その支援金を募るクラウドファンディングも目標金額を達成することができたんですよ。

今は具体的にどんな催しにしていくのかみんなで詰めてるところです。

初のバーチャル開催、どんな感じになるのか気になります。

メディアからの取材の依頼もいくつか頂いていますので、その発信力も頼ってうまいこといけばええなあと思ってるんですけどね。どんな感じかになるかは正直なところわからないです。初めてのことですし・・

僕も会議で「『食の祭典』で食べへんというのはちょっと想像できひんのですけど、それってどうなんですか？」って意見は出させてもらいました。各個々のお店のプレゼン能力で、どれだけ辛くてどれだけ旨いっていうのをどこまでPRできるのか、参加してくれた人にちゃんと響いて興味を持ってもらえるのか、やってみんことには分からないです。

でも、それこそクラウドファンディングも「本当にお金が集まるんかなぁ？」と思っている中で、達成したことが驚きで。激辛好きの人がこんなにいるんやなぁ、と。やっぱり普段から激辛メニューを求めてお店に食べに来てくれるお客さんを見ても「こんなに辛いの、本当に食べれるの！？」ってびっくりしますもんね。

麒麟園の激辛メニューといえば、KARA-1初代ゴールドグランプリの激辛担々麺。辛さレベルを１辛～５辛まで選べますが、宮路さんは何辛まで完食できますか？

お客さんにおすすめしているものですので、もちろん5辛もいけますけど、正直言うと食べたくないです（笑）

開発当初は気合を入れて辛いもの好きアピールもしてたんですけど、それまで店で使っていなかった香辛料でやってみると、辛さの比と言うか「質」が全然違うなと。辛いもの、実はそんなに得意じゃなかったです。

KARA-1グランプリで賞を貰った激辛担々麺は2辛なんですよ。うちのスタッフ達と「旨さ」と「辛さ」のバランスを追求して作ったものですので、まずお客さんにおすすめしているのは2辛ですね。

僕は３辛以上になるともう普通に「辛い～！」言いながら食べます（笑）

実際に２辛を頂きました。3辛以上を頼むのはちょっと勇気がいるかもしれないです。

3辛以上の注文は毎日あるんですけどね。今日は5辛も出ました。3辛以上のオーダーが入ると、お客さんには「辛いですけど、大丈夫ですか？」ってお聞きするようにしてるんです。

それでも一部のマニアの人からは普通の辛さじゃ物足りないと言われるんで、5辛を完食出来た人の為に裏メニューで10辛までご用意しています。

裏メニューの10辛を完食した方はいらっしゃいますか？

今までで1人だけですね。地方から来られた激辛好きの方で、１時間半ほどかけて完食されました。遠方から来てくださっているだけあって「これを食べずには帰れない！」という熱がこちらにも伝わってきました。

他の方は途中でギブアップされています。さすがに10辛はねえ・・無理やと思う（笑）

（後編へ続く）

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